友人
「実家の敷地は父親名義になってるんだけど,そこに,俺の妹と父親が一緒に家を建てて,同居することになったのよ。自分も含めて他にも兄弟がいるわけだけど,父親がいつか亡くなったあと,相続で揉めないようにするために,事前に相続を放棄しておくことにしたいんだけど,どうしたらいい?」
尾形
「お父さんや妹もみんな元気で良かった。後々もめないようにしたいって,さすがだな~。介護を頑張ったのに,何もしていなかった兄弟から法定相続分どおり主張されると,法律的には特に問題はないんだけど,微妙に感情の亀裂が入ってしまうことってあるからね・・。対策を考えておくのはすごいいいことだと思う。でも相続放棄を事前にすることってできないのよ。遺留分の放棄ってのはあるけど裁判所の許可が必要になるし・・。そもそも何も相続したくないわけじゃなくて,その不動産限定の話をしたいわけだから,ちょっと違うよなぁ。お父さんが持ってる土地を,今のうちから同居する娘に譲渡っていうのは考えてないわけだよね?」
友人
「今後どうなるか分からないし,父親もまだ元気だから,それはなかなかね~。贈与したけど何も面倒みてくれなかったとか,すぐ別居になっちゃったでは困るし・・。税金のこともあるし。」
尾形
「要するに,お父さんとしたら同居してもらって,さらに介護までしてもらえたら安心だし,妹としても,同居するとなれば色々大変なこともあるだろうけど,後々の保障というか,土地や建物についての権利をもらえるのであればより頑張りがいがあるっていうことだよね。そうしたら,負担付死因贈与っていうのがあるけどどうだろう。介護してくれたら不動産をあげるという契約を今のうちに結んでおいて。お父さんが亡くなるときのことはあまり考えたくはないことだけど、いつか亡くなったときに贈与が実行されるように準備しておけば,両者WinWinになるんじゃないかな。場合によっては墓の維持とか,どこまで書くかケースバイケースだけど,できるなら他の兄弟も一緒に考えて納得しておけば,後々は楽になるよね。」
・・・
相続は,誰かが亡くなってから考えるのではなく,亡くなる前から考えておくことがとても重要です。気になる方はどうぞご相談ください。